不動産登記について
「不動産登記」は、「表示に関する登記」と「権利に関する登記」に分けられます。
表示に関する登記は土地家屋調査士が業として事務を行うことができ、
権利に関する登記は司法書士が業として事務を行うことができます。
「表示に関する登記」とは、不動産の物理的状況を明確にするためのものであり・・・
・建物の場合・・・所在・地番、種類、構造、床面積、新築年月日が記載されます。
所在、地番 : 盛岡市盛岡駅前通○○○番地
種類 : 居宅、店舗など
構造 : 木造かわらぶき2階建など
床面積 : 1階 55.55㎡、2階 33,33㎡
・土地の場合・・・所在、地番、地目、地積が記載されます。
所在 : 盛岡市盛岡駅前通
地番 : ○○○番
地目 : 宅地、田、畑など
地積 : 123.45㎡
といった内容がそれぞれの登記簿(登記事項証明書)の表題部に記載されています。
不動産登記の目的は、不動産の権利の客体である土地、建物の物理的状況を明確にし、これを登記簿に記載し「公示」することによって、不動産取引の安全と円滑を図るための制度とされており、表示に関する登記は当該不動産の所有者に対して申請が義務付けられています。
表示に関する登記で申請義務が課せられている代表的な登記の種類は・・・
・土地の表題登記・・・・・・・土地が新たに生じたとき
・土地の表示変更登記・・・・・地目、地積に変更が生じたとき
・土地の滅失登記・・・・・・・土地が物理的に消滅したとき
・建物の表題登記・・・・・・・建物を新築したとき
・建物の表示変更登記・・・・・建物を増築、種類を変更したときとき
・建物の滅失登記・・・・・・・建物を取り壊したとき
一方、「権利に関する登記」は、字の如く所有権、地上権、賃借権、抵当権、などの権利に関する事項が記載されています。
登記簿(登記事項証明書)の記載は、甲区(所有権に関する事項)と、乙区(所有権以外の権利に関する事項)に分かれ、土地、建物共通の記載事項となっています。
甲区には・・所有権、差押え、仮差押えなど
乙区には・・抵当権、地上権、賃借権など
がそれぞれ記載されています。
権利に関する登記は、不動産に関する権利の変動を、第三者に対抗するために登記簿に記載して公示するものであって、登記申請を強制されるものではありませんが、自己の権利を保全するためには必要な手続きといえます。
以上のことより、登記簿(登記事項証明書)は、表題部、甲区(所有権に関する事項)、乙区(所有権以外の権利に関する事項)の3部で構成されていることが、ご理解できるかと思います。